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「屍の街」 - 原 民喜 ( はら たみき )

  • 古書≪森鴎外集≫7 青年、舞姫他 【 森鴎外】河出書房 貴重 初版
  • 「森鴎外私論」吉野俊彦 森鴎外評論-批評-書籍・10冊 N21681
  • 岩波文庫1675昭和41年/阿部一族他二編森鴎外 岩波書店
  • 600円~ 岩波文庫【青年】森鴎外 (プチソフト1)
  • ◆◇森鴎外著「舞姫・山椒大夫  他四篇」(旺文社文庫)◇◆
  • ◆◇ 森鴎外著「青年」(新潮文庫) ◇◆  名著! 
  • ◆◇森鴎外著「舞姫・うたかたの記  他三篇」(岩波文庫)◇◆
  • ◆新品DVD★『NHK 名作の風景 8』森鴎外 正岡子規 夏目漱石1円
  • 森鴎外 高瀬舟・高瀬舟縁起・寒山捨得・寒山捨得縁起 CD 未開封
  • 森鴎外 舞姫 雁 井上靖 訳編 明治の古典8 初版
 私はあのとき広島の川原で、いろんな怪物を視た。男であるのか、女であるのか、ほとんど区別もつかない程、顔がくちゃくちゃに腫れ上って、随って眼は糸のように細まり、唇は思いきり爛れ、それに痛々しい肢体を露出させ、虫の息で横たわっている人間たち……。だが、そうした変装者のなかに、一人女流作家がいて、あの地獄変を体験していたとは、まだあの時は知らなかった。
「なんてひどい顔ね。四谷怪談のお岩みたい。いつの間にこんなになったのかしら」と大田洋子氏は屍の街を離れ、田舎の仮りの宿に着いたとき鏡で自分の顔を見ながら驚いている。それから、無疵だったものがつぎつぎに死んでゆく、あの原子爆弾症の脅威を背後に感じながら「書いておくことの責任を果してから死にたい」と筆をとりだす。こうした必死の姿勢で書かれたのがこの「屍の街」である。銅色に焦げた皮膚白い薬や、油や、それから焼栗をならべたような火ぶくれがつぶれて、癩病のような恰好になっていた。これは、この著者が目撃した、惨劇の一断片であるが、こうした無数の衝撃のために、心の傷あとはうずきつづけるのだ。著者女性にむかってこう訴えている。
 生きなくてはならない一人の女の右手が、永久にうしなわれて行くのでしたら、戦争そのものへの抗議憎悪日本中の女の胸に燃え立つはずです。



底本:「日本原爆文学1」ほるぷ出版
   1983(昭和58)年8月1日初版第一刷発行
※本作品中には、身体的・精神資質職業地域階層民族などに関する不適切な表現が見られます。しかし、作品時代背景価値、加えて、作者抱え限界読者自身が認識することの意義を考慮し、底本のままとしました。(青空文庫
入力ジェラスガイ
校正大野晋
2002年7月20日作成
青空文庫作成ファイル
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