はしがき(『女靴の跡』) 関連リンク

宮本 百合子 のオススメ作品

作家別索引

作品別索引

はしがき(『女靴の跡』) - 宮本 百合子 ( みやもと ゆりこ )

  • 宮本百合子選集第一巻・小説集 ☆宮本百合子
  • 【本】 宮本百合子研究・宮本百合子批評 関係書 6冊 N21078
  • 宮本百合子全集 補巻一 習作一 函・月報付 新日本出版社
  • 現代日本文学全集35 宮本百合子集 筑摩書房
  • (新日本出版社) 宮本百合子選集 全12冊 送料無料!!
  • 【切手OK】宮本百合子『伸子 上巻』岩波版ほるぷ図書館文庫
  • 日本文学全集22 宮本百合子 伸子/二つの庭 河出書房新社
  • ●「新版 宮本百合子全集」第10巻 定価6000円
  • 宮本百合子全集5冊セット全初版 別巻1、2 補巻1、2 別冊 
  • 宮本百合子全集 28巻セット■新日本出版社■1980/82年
 一九三三年ごろから最近までの十二、三年の間日本文学者たちの経験したさまざまの苦しい境遇は、ほんとうに日本の全人民の辛苦と共通なものであった。みんなが、自分の思うこと、正しいと信じる自分判断について、口をふさがれていたとおり、作家もあらゆる率直な表現をはばまれて来た。小説が、真実人民的な歴史を映すテーマで書けなかったように、評論客観的なよいところを抹殺されて、文芸評論でさえ、文学史逆行した鑑賞批評しか存在を許されなかった。その時代に一つの現象として随筆流行が見られた。いろいろ個性的な色彩をもった随筆がうかがわれたが、その中には、一応随筆の体裁をもちながらも、その奥には何となく魚のような背骨をひそめていて、小さくても弱くても、人間生活芸術のまともさを守り、その希望の閃きを見失うまいとした随筆もあった。評論小説も、自分にとって自然な形で書けなかった何年かの間に、わたしがいくつかの随筆のようなものをかきはじめたきっかけには、そういうところもあった。
 こんどはじめて、随筆集という形で一冊の本にまとまるにつけて『明日へ精神』や『私たちの生活』に収録されている随筆のうちからいくつかを選び「郵便切手」そのほかの最近書いたものに、未発表のいくつかを加えた。「兄と弟」「書簡箋」「ベリンスキーの眼力」などは太平洋戦争中、作品発表できなかった時分のノートから。「真夏の夜の夢」「デスデモーナのハンカチーフ」「復活」などは、珍しく芝居につき、この集のために新しく書いた。
   一九四七年十二月
〔一九四八年二月



底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
   1981(昭和56)年5月30日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第2版第1刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房
   1953(昭和28)年1月発行
初出:「女靴の跡」高島屋出版
   1948(昭和23)年2月発行
入力柴田卓治
校正:磐余彦
2004年2月15日作成
青空文庫作成ファイル
このファイルは、インターネット図書館青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力校正制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。


宮本 百合子 (みやもと ゆりこ) 以外のオススメ作品

はしがき(『女靴の跡』) (はしがきおんなぐつのあと) のリンク元

「はしがき(『女靴の跡』)-宮本 百合子」の関連ページ


関連ページ
Web Services by Yahoo! JAPAN