ぶくぶく長々火の目小僧 関連リンク

鈴木 三重吉 のオススメ作品

作家別索引

作品別索引

ぶくぶく長々火の目小僧 - 鈴木 三重吉 ( すずき みえきち )

  • ★野球小僧★09年12~10年12月号/高校野球小僧他★全11冊★
  • 廃盤ビデオ 妖怪伝 猫目小僧 第10巻 未DVD化
  • 激安!野球小僧へUCHIDA鉄トレーニングコアバット1.4k!!
  • 激安!野球小僧へスイングトレーニングバット!インパクト!
  • ■膝小僧の神様・挑む女・群ようこ・文庫版初版■⑨
  • 中学サッカー小僧/2007夏版 夢の日本代表スペシャル 高原直泰
  • T ラビット小僧 ツインテールラボラトリー
  • 【色とメーカー選んでOK】小便小僧 29
  • ★Hot・Dog1982№55 スポーツ小僧の目立ちブランド学!
  • 群ようこ 膝小僧の神様 新潮文庫
次のページ
       一  これは昔も昔も大昔のお話です。そのじぶんは今とすっかりちがって、鼠(ねずみ)でも靴(くつ)をはいて歩いていました。そして猫を片はしから取って食べました。ろばも剣をつるしていばっていました。にわとりは、しじゅう犬をおっかけまわしていじめていました。
 こんなに、何(なん)でもものがさかさまだったときのことですから、今から言えば、それこそ昔も昔も大昔の、そのまたずっとずっと昔のお話です。だから、いろんなおかしなことばかり出て来ます。しかし、けっしてうそではありません。
 そのころ或(ある)国の王さまに、美しい王女がありました。その王女世界中の王さまや王子が、だれもかれもお嫁にほしがって、入りかわりもらいに来ました。
 しかし王女は、どんなりっぱな人のところから話があっても、厭(いや)だ、と言って、はねつけてしまいました。
 世界中の王さまや王子たちは、それでもまだこりないで、なんども出かけて来ました。
 王女は、うるさくてたまらないものですから、とうとうお父さまの王さまに向って、
「ではだれでも三晩(みばん)の間(あいだ)、私(わたくし)をお部屋の外へ出さないように、寝ずの番をして見せる人がありましたら、その方のお嫁になりましょう。」と言いました。
 王さまはさっそくそのことを世界中へお知らせになりました。そのかわり、もし途中で少しでもい眠りをすると、すぐにきり殺してしまうから、そのつもりでおいで下さいとお言いになりました。
 すると方々の王さまや王子たちは、何だ、そんなことなら、だれにだって出来ると言って、どんどんおしかけて来ました。
 ところが、夜になって、王女のお部屋へとおされて、しばらく王女の顔を見ていると、どんな人でもついうとうと眠くなって、いつの間にかぐうぐう寝こんでしまいました。それで、来る人来る人が、一人ものこらず、みんな王さまにきり殺されてしまいました。
 すると、或王さまのところに、鹿のようにきれいな、そしてたかのように勇(いさま)しい、年わかい王子がいました。この王子がその話を聞いて、私ならきっと眠らないで番をして見せる、一つ行ってためして来ようと思いました。
 しかしお父さまの王さまは、王子がうっかり眠りでもしたらたいへんですから、いやいやそれはいけないと言って、どうしてもおゆるしになりませんでした。そうなると王子はなおさらいきたくて、毎日々々、
「どうかいかせて下さいまし。たった三晩ぐらいのことですもの。かならず眠りはいたしません。」と言いながら、王さまにつきまとって、ねだりました。さすがの王さまもとうとう根(こん)まけをなすって、それでは、どうなりとするがいいと、しかたなしにこう仰(おっしゃ)いました。
 王子は大よろこびで、お金入れへお金をどっさり入れて、それから、よく切れるりっぱな剣をつるすが早いか、お供もつれないで、大勇(おおいさ)みに勇んで出かけました。

       二

 王子は遠い遠い長い道をどんどん急いでいきました。
 すると二日目に、途中一人のふとった男に出あいました。
 その男はよっぽどからだがおもいと見えて、足を引きずるようにして、のッそり/\歩いていました。
もしもし、おまえさんはどこまでいくのです。」と、王子はその男に話しかけました。
「私(わたくし)は、仕合せというものをさがしに世界中を歩いているのでございます。」と、そのふとった男がこたえました。
「一たいあなたの商ばいは何です。」と王子は聞きました。
私にはこれという商ばいはございません。ただ人の出来ないことがたった一つ出来るだけでございます。」
「では、その人に出来ないことというのはどんなことです。」
「なに、たいしたことではございません。私はぶくぶくという名前で、いつでも勝手なときに、ひとりでにからだがゴムの袋のようにぶくぶくふくれます。まず一聯隊(いちれんたい)ぐらいの兵たいなら、すっかり腹の中へはいるくらいふくれます。」
 ふとった男はこう言って、にたにた笑いながら、いきなりぷうぷうふくれ出して、またたく間(ま)に往来一ぱいにつかえるくらいの、大きな大きな大男になって見せました。王子はびっくりして、
「ほほう、これはちょうほうな男だ。どうです、きょうから私のお供になってくれませんか。私もちょうど、お前さんと同じように、仕合せをさがして歩いているのだから。」と、聞いて見ました。するとぶくぶくはよろこんで、
「どうぞおともにつけて下さいまし。何よりの仕合せでございます。


次のページ

鈴木 三重吉 (すずき みえきち) 以外のオススメ作品

ぶくぶく長々火の目小僧 (ぶくぶくながながひのめこぞう) のリンク元

「ぶくぶく長々火の目小僧-鈴木 三重吉」の関連ページ


関連ページ
Web Services by Yahoo! JAPAN