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ジャン・クリストフ 10 第八巻 女友達 - ロラン ロマン ( )

  • ソングライター ウィリーネルソン クリスクリストファーソン
  • ●新品●コミュニオン 遭遇 主演:クリストファー・ウォーケン
  • 廃盤●ジェニファー8●音楽:クリストファー・ヤング
  • 「フランス・クリストフル 銀仕上 重厚な ペーパーナイフ」 箱付
  • ★ジャンクリストフ3/ロマンロラン豊島与志雄昭和38年岩波文庫
  • ★ジャンクリストフ2/ロマンロラン豊島与志雄昭和37年岩波文庫
  • ★ジャンクリストフ1/ロマンロラン豊島与志雄昭和37年岩波文庫
  • ★ジャンクリストフ8/ロマンロラン豊島与志雄昭和38年岩波文庫
  • SAINT CHRISTOPHER セントクリストファー☆アンクレット☆ピンク
  • 【映画パンフ】スーパーマン3/クリストファー・リーブ
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ジャン・クリストフ JEAN-CHRISTOPHE 第八巻 女友達 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳  フランス以外で成功を博しかけていたにもかかわらず、クリストフオリヴィエ物質的情況は、なかなかよくなってゆかなかった。きまってときどき困難な時期がやってきて、空腹な思いをしなければならなかった。その代わり金があるときには、平素の二倍も食べて補っていた。けれどそれも長い間には、結局身体を弱らす摂生法だった。
 今またちょうど二人は不如意な時期にあった。クリストフは夜中過ぎまで起きていて、ヘヒトから頼まれた編曲無趣味仕事を片付けた。寝たのは明け方近くで、無駄(むだ)なことに費やした時間を取り返すために、ぐっすり眠ってしまった。オリヴィエは早くから出かけていた。パリーの向こう側の場末講義をしなければならなかったのである。八時ごろに、手紙を届けに来る門番の男が呼鈴を鳴らした。いつもならその男は、強(し)いて起こさないで扉(とびら)の下へ手紙差し入れてゆくのだった。がその朝に限って扉をたたきつづけた。クリストフは寝ぼけながら、ぶつぶつ言って扉を開きにいった。門番微笑しながら盛んにしゃべりたてて、ある新聞記事のことを言っていたが、クリストフはそれに耳を貸さず、顔も見ないで手紙を引ったくり、扉を押しやったままよくも閉(し)めずに、また寝床にはいって、前よりもなおぐっすりと眠った。
 一時間ばかり後にまた、彼は室の中の人足音にはっと眼を覚(さ)ました。そして寝台の裾(すそ)のほうに、見知らぬ顔の人が丁重に会釈してるのを見て、呆気(あっけ)にとられた。それはある新聞記者で、扉が開(あ)いてるのを見て遠慮なくはいり込んで来たのだった。クリストフは腹をたてて飛び起きた。
「何をしにここへ来たんです?」と彼は叫んだ。
 彼は枕(まくら)をつかんで、その侵入者に投げつけてやろうとした。侵入者は逃げ出すような態度をしたが、それから二人で話し合った。男はナシオン新聞の探訪員で、グラン・ジュールナル新聞に出た評論に関して、クラフト氏に面会したがってるのだった。
「どんな評論ですか。」
「まだお読みになりませんか。」
 探訪員は説明の労をとってくれた。
 クリストフはまた寝てしまった。眠気のためにぼんやりしていなかったら、相手を外に追い出すところだった。しかし勝手にしゃべらしておくほうが大儀でなかった。彼は蒲団(ふとん)の中にもぐり込み、眼を閉じ、眠ったふりをした。そしてそのままほんとうに眠ってしまうところだった。しかし相手は執拗(しつよう)で、評論の初めを声高に読みだした。クリストフはすぐに耳をそばだてた。クラフト氏は当代の音楽天才だと書かれていた。クリストフは眠ったふりをする役目を忘れて、びっくりした怒鳴り声をたて、上半身を起こして言った。
「其奴(そいつ)らは狂人(きちがい)だ。何かに取り憑(つ)かれてる。」
 探訪員はそれに乗じて読むのをやめ、いろんな質問をかけ始めた。クリストフはなんの考えもなくそれに答えた。新聞を取り上げて、第一ページにのってる自分肖像を茫然(ぼうぜん)とながめた。しかしその評論読むだけの隙(ひま)がなかった。新聞記者がも一人はいって来たのだった。こんどは彼も本気に腹をたてた。出て行ってしまえと怒鳴りつけた。しかし彼らは少しも出て行こうとしなかった。室内の家具や壁の写真などの配置から、本人の顔つきまでを、手早く書き止めてしまった。クリストフ笑いだしまた怒りだして、彼らの肩をとらえて押しやり、シャツのまま外に送り出して、そのあとから扉(とびら)に差し金をおろしてしまった。
 しかしその日はどうしたことか、彼は一人落ち着いてることが許されなかった。身仕舞いを終わるか終わらないうちに、ふたたび扉をたたく者があった。ただ数人のごく親しい者のみが知ってる一定のたたき方だった。クリストフは扉を聞いてみた。


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