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ソヴェト同盟の婦人と選挙 - 宮本 百合子 ( みやもと ゆりこ )

  • 古書≪森鴎外集≫7 青年、舞姫他 【 森鴎外】河出書房 貴重 初版
  • 「森鴎外私論」吉野俊彦 森鴎外評論-批評-書籍・10冊 N21681
  • 岩波文庫1675昭和41年/阿部一族他二編森鴎外 岩波書店
  • 600円~ 岩波文庫【青年】森鴎外 (プチソフト1)
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  • ◆◇ 森鴎外著「青年」(新潮文庫) ◇◆  名著! 
  • ◆◇森鴎外著「舞姫・うたかたの記  他三篇」(岩波文庫)◇◆
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  • 森鴎外 高瀬舟・高瀬舟縁起・寒山捨得・寒山捨得縁起 CD 未開封
  • 森鴎外 舞姫 雁 井上靖 訳編 明治の古典8 初版
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        資本家地主のロシアでは―― 「牝鶏は鶏ではない。女どもは人間ではない」むかしロシアにはこういう諺があった。女は男よりねうちのないもので人間ではないと云うのだが、では、むかしロシアの女はどんな扱いをうけていたのでしょうか?
 一口に云えば牛や馬のように扱われていた。牛や馬は或る家に飼われ、そこの主人がこきつかうままにこき使われ、食わされるものを食い、ナブられ、あげくによそへ売られれば、それが厭だという抗弁も出来ない。哀れなものです。
 昔のロシアで、娘は親のいうことを絶対にきかなければならなかった。死ぬほどいやと思っても親同士が結納取引をしてしまえば無理やり嫁に行かなければならなかったし、離婚出来なかった。
 ことに農民婦人生活はひどく、全くただ働く道具としてだけ考えられた。字を読むことも書くことも知らず、辛い心の訴えどころがないので、つい坊主にだまされ、一生喜捨をまき上げられる有様だったのです。
 都会勤労婦人生活だって決してこれにまさったものではなかった。亭主はよくのんだくれる。そして女房を殴る。工場ではどうかというと、男と同じに汗水たらして働くのに、賃銀は半分ぐらいしか取れぬ。子供を腹にかかえても、休め工場をクビにされるから無理押しに働きに出る。そういう勤労婦人仕事台の下へぶっ倒れて赤ん坊を生み落すのは昔のロシアでは珍らしい出来事ではなかったのです。
 赤ん坊を生んだって、ブルジョア工場休みくれない。子をなすのはお前の勝手だ。工場の知ったことか。働かすためにお前を雇っているのだというから、また翌日からフラフラの体を押して働きに出る。亭主だって僅の賃銀をもらい、しかも酒を飲むから、女房が働かなければ口がすごせない。
 工場赤ん坊はつれて行けないから、四つ五つの上の子に守をさせる。乳をのまされないから牛乳をあてがうが、赤ん坊の守をしている子は小さい。きっちり時間でなんか飲まされない。おむつもかえない。そんな有様で、どうしてかよわい赤ん坊丈夫に育つでしょう。
 赤ん坊死亡率ブルジョア時代のロシアでは実に高かった。工場働く婦人たちが姙娠中養生をさせられなかったことと、ちゃんとした手当もうけられず出産しなければならなかったからです。
 こういう惨めな一生をブルジョア時代のロシアの勤労婦人が送らなければならなかったのは一体誰のせいなのでしょう?
 男が悪かったのでしょうか?

        女を卑めて誰が得したか

 ところで、その時代ブルジョア地主のロシアで、プロレタリア農民の男がどんなに威張った楽な暮らしをしていたかというと、これはまるで反対に、哀れな奴隷暮らしだったのです。威張るどころかブルジョア・ロシアの工場では労働者工場主に対して自分たちの利益を守るための組合をつくることさえ禁じられていた。十人、十五人と集合して会合をもってさえも、巡査に知れれば直ぐ牢にぶち込まれた。失業保険はないし、年とるまで工場で搾られ、あげ句に放り出されれば乞食でもするしか生きる道がなかった。
 工場働くプロレタリアート地主野良を耕す貧農にとって、暮らし辛いこととブルジョア地主とにしぼられることは、男も女も全く同じだったのです。
 それを、では何故ブルジョア地主のロシアでは、勤労者まで女を一段低いものと思っていたのでしょうか?
 みんな、ブルジョア地主どもの仕かける狡い教育にだまされてそんな考えをもっていたのです。
 労働者農民がはっきりと、男も女も同じだけ働けばこの社会に暮らす権利は同じで、賃銀も当然同じでなければならないということを知って御覧なさい! 忽ち損をするのは資本家地主です。
 実際には女だって男並に、時には男の知らないひどい働きをして彼等に十分儲けさせている。しかも、女は男に劣るという口実で、男の半分だけの賃銀で搾れるのだから、資本家地主にとってその味は忘れられない。
 何とかしてその状態をつづけるために、坊主動員して女は男に劣るものだ、女は男に屈従すべきものだと朝に晩に吹きこませる。労働者の男が理屈を云う女を、何だ生意気な! と思い、互に団結して資本家地主にぶつかって来ないよう、陰険な仲間割れをさせておいたのです。

        女も男と並んでソヴェト権力へ※

 さて、余り搾取に、ロシアのプロレタリアート農民も、そろそろ目がさめて来た。地主資本家に対し、女と肩を並べストライキ小作争議とで闘い、勤労階級搾取階級対立がはっきりして見ると、女に対する見方が変って来た。成程、これまでは資本家地主からくりに騙されていた。本当に勤労大衆解放のため先頭に立って闘っている共産党スローガンどおり機械労働者の手に、土地農民に! そして同じ働きをする以上男も女も同じ政治上の権利をもち、同じ賃銀をとるのが当然だ。そうしてこそ始めて仕合わせ毎日生活が男にも女にも来ることがわかった。
 その日のために、ロシアのプロレタリアート農民は、監獄銃殺流刑と、あらゆる迫害を徹して闘い抜き、遂に一九一七年十一月七日、働く者の国、プロレタリア独裁ソヴェト政権確立したのです。
 この地球はじめての人間らしい憲法がきめられた。労働婦人としての女が本ものの権利をもった。
 ソヴェト同盟では男も女も同じ労働(はたらき)に対しては同一賃銀を。そして社会主義社会のためにつくす点は同じだから男も女も満十八歳で、ソヴェト選挙され、選挙する権利を与えられています。(但し革命までのブルジョアの残りや坊主などは、新しい社会を造るソヴェトへの選挙権は与えられていません。)
 ソヴェト選挙は二年ごとに行われます。


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