一寸法師 関連リンク

楠山 正雄 のオススメ作品

作家別索引

作品別索引

一寸法師 - 楠山 正雄 ( くすやま まさお )

  • ◆CD 人間椅子 踊る一寸法師【帯付】◆
  • ◆CD 人間椅子 踊る一寸法師◆
  • 昔話シリーズ 一寸法師 鬼退治 20円切手 20枚 1シート 送料80円
  • みほん切手 昔話シリーズ 一寸法師
  • 記念切手■一寸法師■昔話シリーズ■20円×20枚 3シート
  • 「一寸法師」江戸川乱歩 ポプラ社 名探偵明智小五郎昭和37年
  • 一寸法師(2) 記念切手シート(20円×20枚)
  • 一寸法師(1) 記念切手シート(20円×20枚)
  • 一寸法師(2) 記念切手シート(20円×20枚)
  • ●切手 昔話シリーズ第3集 一寸法師 鬼 '74年★単片4●m08
次のページ
     一  むかし、摂津国(せっつのくに)の難波(なにわ)という所(ところ)に、夫婦(ふうふ)の者(もの)が住(す)んでおりました。子供(こども)が一人(ひとり)も無(な)いものですから、住吉(すみよし)の明神(みょうじん)さまに、おまいりをしては、 「どうぞ子供(こども)を一人(ひとり)おさずけ下(くだ)さいまし。それは指(ゆび)ほどの小(ちい)さな子でもよろしゅうございますから。」
 と一生懸命(いっしょうけんめい)にお願(ねが)い申(もう)しました。
 すると間(ま)もなく、お上(かみ)さんは身持(みも)ちになりました。
「わたしどものお願(ねが)いがかなったのだ。」
 と夫婦(ふうふ)はよろこんで、子供(こども)の生(う)まれる日を、今日(きょう)か明日(あす)かと待(ま)ちかまえていました。
 やがてお上(かみ)さんは小(ちい)さな男の赤(あか)ちゃんを生(う)みました。ところがそれがまた小(ちい)さいといって、ほんとうに指(ゆび)ほどの大きさしかありませんでした。
「指(ゆび)ほどの大きさの子供(こども)でも、と申(もう)し上(あ)げたら、ほんとうに指(ゆび)だけの子供(こども)を明神(みょうじん)さまが下(くだ)さった。」
 と夫婦(ふうふ)は笑(わら)いながら、この子供(こども)をだいじにして育(そだ)てました。ところがこの子は、いつまでたってもやはり指(ゆび)だけより大きくはなりませんでした。夫婦(ふうふ)もあきらめて、その子に一寸法師(いっすんぼうし)と名前(なまえ)をつけました。一寸法師(いっすんぼうし)は五つになっても、やはり背(せい)がのびません。七つになっても、同(おな)じことでした。十を越(こ)しても、やはり一寸法師(いっすんぼうし)でした。一寸法師(いっすんぼうし)が往来(おうらい)を歩(ある)いていると、近所(きんじょ)の子供(こども)たちが集(あつ)まってきて、
「やあ、ちびが歩(ある)いている。」
「ふみ殺(ころ)されるなよ。」
「つまんでかみつぶしてやろうか。」
「ちびやい。ちびやい。」
 と口々(くちぐち)にいって、からかいました。一寸法師(いっすんぼうし)はだまって、にこにこしていました。

     二

 一寸法師(いっすんぼうし)は十六になりました。ある日|一寸法師(いっすんぼうし)は、おとうさんおかあさんの前(まえ)へ出て、
「どうかわたくしにお暇(ひま)を下(くだ)さい。」
 といいました。おとうさんはびっくりして、
「なぜそんなことをいうのだ。」
 と聞(き)きました。一寸法師(いっすんぼうし)はとくいらしい顔(かお)をして、
「これから京都(きょうと)へ上(のぼ)ろうと思(おも)います。」
 といいました。
京都(きょうと)へ上(のぼ)ってどうするつもりだ。」
京都(きょうと)は天子(てんし)さまのいらっしゃる日本一(にっぽんいち)の都(みやこ)ですし、おもしろいしごとがたくさんあります。わたくしはそこへ行って、運(うん)だめしをしてみようと思(おも)います。」
 そう聞(き)くとおとうさんはうなずいて、
「よしよし、それなら行っておいで。」
 と許(ゆる)して下(くだ)さいました。
 一寸法師(いっすんぼうし)は大(たい)へんよろこんで、さっそく旅(たび)の支度(したく)にかかりました。まずおかあさんにぬい針(ばり)を一|本(ぽん)頂(いただ)いて、麦(むぎ)わらで柄(え)とさやをこしらえて、刀(かたな)にして腰(こし)にさしました。それから新(あたら)しいおわんのお舟(ふね)に、新(あたら)しいおはしのかいを添(そ)えて、住吉(すみよし)の浜(はま)から舟出(ふなで)をしました。おとうさんおかあさんは浜(はま)べまで見送(みおく)りに立(た)って下(くだ)さいました。
おとうさんおかあさん、では行ってまいります。」
 と一寸法師(いっすんぼうし)がいって、舟(ふね)をこぎ出(だ)しますと、おとうさんおかあさんは、
「どうか達者(たっしゃ)で、出世(しゅっせ)をしておくれ。」
 といいました。
「ええ、きっと出世(しゅっせ)をいたします。」
 と、一寸法師(いっすんぼうし)はこたえました。
 おわんの舟(ふね)は毎日(まいにち)少(すこ)しずつ淀川(よどがわ)を上(のぼ)って行きました。しかし舟(ふね)が小(ちい)さいので、少(すこ)し風(かぜ)が強(つよ)く吹(ふ)いたり、雨(あめ)が降(ふ)って水(みず)かさが増(ま)したりすると、舟(ふね)はたびたびひっくり返(かえ)りそうになりました。そういう時(とき)には、しかたがないので、石垣(いしがき)の間(あいだ)や、橋(はし)ぐいの陰(かげ)に舟(ふね)を止(と)めて休(やす)みました。
 こんな風(ふう)にして、一月(ひとつき)もかかって、やっとのことで、京都(きょうと)に近(ちか)い鳥羽(とば)という所(ところ)に着(つ)きました。鳥羽(とば)で舟(ふね)から岸(きし)に上(あ)がると、もうすぐそこは京都(きょうと)の町(まち)でした。五条(ごじょう)、四条(しじょう)、三条(さんじょう)と、にぎやかな町(まち)がつづいて、ひっきりなしに馬(うま)や車(くるま)が通(とお)って、おびただしい人が出ていました。


次のページ

楠山 正雄 (くすやま まさお) 以外のオススメ作品

一寸法師 (いっすんぼうし) のリンク元

「一寸法師-楠山 正雄」の関連ページ


関連ページ
Web Services by Yahoo! JAPAN