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- モーパッサン ギ・ド ( モーパッサン ギ・ド )

  • 美人を育てる秋田米☆秋田県産あきたこまち 10kg
  • 秋田県 男鹿 秋田中央交通 周遊指定地 八望台 船川港
  • 昭和29年地形図 森吉山 秋田県北秋田郡仙北郡鹿角郡 林用軌道線
  • 昭和51年 秋田 古い市街地図秋田中央交通市営バス路線停留所名入
  • 昭和26年『秋田県』古い地図羽後交通荒川鉱山秋田営林局林用軌道
  • JR東日本秋田支社オレンジカード 秋田新幹線 1000円未使用
  • 有吉京子★「青春キックオフ!」全2巻秋田文庫初版サッカー
  • ホラーコミック 原ちえこ・ひたか良 秋田書店
  • 使用済み イオカード 秋田新幹線こまちE3系
  • ブラックジャック/手塚治虫 80年代秋田書店販促下敷き紙製
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モオパッサン 秋田滋訳  一八八三年七月十七日、草木もねむる真夜なかの二時半のことである。ベジエ地のはずれに建っている小さなほったて小屋に寐起(ねお)きをしている番は、台所のなかへ入れておいた飼犬がけたたましく吠えだしたので、その声に夢を破られた。
 すぐに寐床(ねどこ)を降りていってみると、どうやら小屋のまわりをルンペン何か徘徊してでもいるらしく、犬は、夢中になって吠えながら、頻りに戸の下のところを嗅いでいる。そこで墓番のヴァンサンは、銃を手にして、四囲(あたり)に気をくばりながら戸外(そと)へ出た。
 すると犬は、ボネエ将軍路のほうを指して、一目散に駈けて行ったかと思うと、トモアゾン夫人墓石のそばのところで、ピタリと停ってしまった。そこで、墓番は用心に用心をして歩いてゆくと、まもなく、マランヴェール路の方角にあたって、幽(かす)かな灯影が見えた。抜足差足、跫音(あしおと)を忍ばせて墓石墓石のあいだを歩いて行き、彼は眼を覆わしめるような冒涜行為を目(ま)のあたりに見たのである。
 一人曲者が、前の日にそこへ埋葬された妙齢婦人死体を掘り出して、今しもそれを墓穴から引ッぱり出そうとしているのだった。小形の龕燈(がんどう)が一つ、掘り返した土塊(つちくれ)のうえに置いてあり、その灯がこの見るに忍びない光景を照らしだしていた。
 墓番のヴァンサンは、やにわにその浅ましい男に躍りかかると、たちまち組み伏せてしまい、両手縛りあげて、その男を交番へ引ッ立てて行った。
 その男は町の弁護士で、まだ年も若く、名をクールバタイユと云って、金もたんまり持っていて、なかなか人望もある男だった。
 彼は法廷に立って法の裁きを受けることになった。検事は、かつてベルトランという一軍曹によって犯された身の毛のよだつような行為を傍聴人の念頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を刺戟(しげき)した。忿怒(ふんぬ)の身顫(みぶる)いが傍聴人たちの間をつたわって行った。論告を了(おわ)って検事が着席すると、
死刑だ!」
死刑にしろ!」
 傍聴人たちは口々にそう叫びだした。裁判長はそれを静めるために並々ならぬ骨を折った。かくて法廷が再び静粛になると、裁判長は厳かな口調でこう訊いた。
被告には、申し開きになるようなことで、何か云っておきたいことはないかね」
 弁護人をつけることを嫌って、何と云っても附けさせなかったクールバタイユは、そこで、やおら立ち上った。背丈のたかい、鳶色(とびいろ)の頭髪(かみのけ)をした好男子で、いかにも実直そうな顔をしており、その顔立ちにはどことなく凛としたところがあって、何かこう思い切ったことをやりそうな眼つきをした男である。
 傍聴席にはまたしても嘲罵(ちょうば)の口笛が起った。
 けれども、彼は、動ずる色もなく、心もち含み声で語りだした。始めのうちはその声はやや低かったが、喋ってゆくにつれて、それもだんだんしッかりして行った。

裁判長殿、
 陪審員諸氏、
 申し述べておきたいようなことは、わたくしにはほとんどございません。ただ、わたくしが墓を発(あば)きました女、あれはわたくしの愛人だったのです。わたくしはその女を愛しておりました。一口に愛していたと申しましても、わたくしは、肉体的な愛慾とか、あるいはまた尋常一と通り精神的な愛情、そのような通り一遍の気持で愛していたのではございません。わたくしは、何ものをもってしても代えることの出来ない、溢れるばかりの情熱をもって彼女を愛していたのであります。もの狂おしいまでに熱愛していたのであります。
 わたくしがこれから申し述べますことを、しばらくお聴き取りのほどを願います。
 わたくしは、初対面のおりに、彼女を見ますと、一種異様な感をおぼえたのであります。それは、愕(おどろ)きでもありません、嘆美でもありません。さればと云って、よく世間で云っております、あの、雷にどかーんと撃たれたような気持、――ああしたものでもありませんでした。何と申しましょうか、それは、ちょうど湯加減のよい浴槽(ゆぶね)のなかにでも浸(ひた)っているような、こころよい、しみじみとした幸福感でありました。
 彼女一挙一動は、わたくしを恍惚とさせました。彼女の声は、わたくしの心を奪うのでした。彼女のからだ全体が、それを見ているわたくしに、限りない悦びを催させるのでした。わたくしにはまた、どうしても初めて会ったという気がせず、この女をもう久しい以前から知っている、それまでにどこかで会ったことがある、――こう思われてならないのでした。彼女はその身うちに何かしらわたくしの精神と一脈相通じるものを有っていたのであります。
 彼女は、わたくしの魂が放った「おう」と呼ぶ声に「おう」と応える声のように、わたくしの前に現れたのでした。人間がその一生を通じて希望というものに向けて放っている、あの漠とした不断の叫び、その声に「おう」と応える声のように、彼女はわたくしの前にその姿を現わしたのでした。
 そしてこの女を更によく知りますと、彼女に会いたい、会いたいという思いだけが、一種名状しがたい、深い、云い知れぬ興奮で、わたくしの心を揺(ゆす)ぶるのでした。自分の掌(たなごころ)のなかに彼女の手を把(にぎ)り緊(し)めていると、わたくしのこの胸には、それまで想像だもしなかったほどの愉しい気持ちが漲(みなぎ)って来るのでした。彼女微笑はまた、わたくしの眼のなかに狂的な悦びを注ぎ込み、わたくしに、雀躍(こおど)りをしたいような、そこらじゅうを無茶苦茶に馳けてみたいような、大地の上をごろごろ転げ※りたいような気持を起させるのでした。
 こうして、彼女はわたくしの愛人になったのであります。いや、それ以上のものでありました。わたくしの生命そのものだったのであります。彼女を措(お)いて、わたくしにはもうこの世に何一つ期待するものはありませんでした。わたくしは何ものも、何ものも望まなかったのであります。わたくしにはもう、欲しいものは何ひとつ無かったのであります。
 ところが、ある夕ぐれのことでした。


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