小公女 関連リンク

バーネット フランシス・ホジソン・エリザ のオススメ作品

作家別索引

作品別索引

小公女 - バーネット フランシス・ホジソン・エリザ ( バーネット フランシス・ホジソン・エリザ )

  • 中古★こども世界名作童話1『小公女』 ポプラ社
  • 美品 リトルプリンセス 小公女 DVD 名作! 即決
  • セル画●レ0めぞん一刻ナウシカ クラリスの島本須美小公女セーラ
  • セル画●ワ0フランダースの犬小公女セーラ世界名作劇場ペリーヌ
  • 小学館 世界の童話13 小公女 小公子 昭和42年
  • BABY,THE STARSの小公女コート黒・白レース
  • 【メゾピアノ】小公女セイラ♪スーツ♪160(150)
  • セル画●ロ0めぞん一刻ナウシカ クラリスの島本須美小公女セーラ
  • セル画●メ1フランダースの犬小公女セーラ世界名作劇場ペリーヌ
  • バーネット著書『小公女』 文庫タイプ
次のページ
A LITTLE PRINCESS フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳      はしがき(父兄へ)  この『』という物語は、『小公子』を書いた米国のバァネット女史が、その『小公子』の姉妹篇として書いたもので、少年少女読物としては、世界有数のものであります。 『小公子』は、貧乏少年が、一躍イギリス貴族の子になるのにひきかえて、この『』は、金持の少女が、ふいに無一物の孤児(みなしご)になることを書いています。しかし、強い正しい心を持っている少年少女は、どんな境遇にいても、敢然(かんぜん)としてその正しさを枉(ま)げない、ということを、バァネット女史は両面から書いて見せたに過ぎないのです。
小公子』を読んで、何物かを感得された皆さんは、この『小公女』を読んで、また別な何物かを得られる事と信じます。

   昭和二年十二月菊池 寛


      一 印度(いんど)からロンドン

 ある陰気な冬の日のことでした。ロンドンの市中は、非常な霧のために、街筋(まちすじ)には街燈が点り、商店の飾窓(かざりまど)は瓦斯(ガス)の光に輝いて、まるで夜が来たかと思われるようでした。その中を、風変りなどこか変った様子の少女が、父親と一緒に辻馬車に乗って、さして急ぐともなく、揺られて行きました。父の腕に抱かれた少女は、脚を縮めて坐り、窓越しに往来の人々を眺めていました。
 セエラ・クルウはまだやっと七歳なのに、十二にしてもませすぎた眼付をしていました。彼女は年中大人の世界のことを空想してばかりいましたので、自然顔付もませてきたのでしょう。彼女自身も、もう永い永い生涯を生きて来たような気持でいました。
 セエラは今、父のクルウ大尉と一緒に、ボムベイからロンドンに着いたばかりのところなのです。あの暑い印度のこと、大きな船のこと、甲板(かんぱん)のこと、船の上で知り合いになった小母(おば)さん達のことなど思い起しますと、今この霧の町を妙な馬車で通っていることさえ、不思議に思われてなりませんでした。セエラは父の方にぴたりと身を寄せて、
「お父様。」と囀(ささや)きました。
「何だえ、嬢や?」クルウ大尉はセエラをひしと抱きしめて、娘の顔を覗きこみました。「何を考えているの?」
「ねえ、これがあそこなの?」
「うむ、そうだよ。とうとう来たのだよ。」
 セエラはほんの七歳でしたが、そういった時の父が、悲しい思い出に打たれていることを悟りました。
 父がセエラの口癖の「あそこ」のことを話し出したのは、ずっと前のことでした。母はセエラの生れた時亡くなってしまいましたので、セエラは母のことは何も知らず、したがって恋しいとも思いませんでした。若くて、風采(ふうさい)の立派な、情愛の深い父こそは、セエラにとってたった一人の肉親でした。父子(ふたり)はいつも一緒に遊び、お互にまたなきものと思っていました。セエラは皆が彼女に聞えないつもりで話しているのを耳にして、父は裕福なのだと知りました。それで、彼女も大きくなれば裕福になるのだと知りました。裕福とはどんなことか、それはセエラには解りませんでした。が、セエラは美しい平屋建(バンガロー)に住んでいましたし、召使たくさんいましたし、何でもセエラの自由にならないものはありませんので、こんなのが裕福というのかなと彼女は思っていました。
 七歳(ななつ)になるまでの間にセエラの気がかりになっていたことは、いつか伴(つ)れて行かれる「あそこ」のことだけでありました。印度気候子供達の体によくなかったので、印度で生れた子供達は出来るだけ早く英国へ送られ、英国学校に入れられるのでした。セエラはよその子供達が英国へ帰って行くのを見たり、親達が子供から受けとった手紙の話をしているのを、聞いたりしました。で、セエラもいつかは印度を去ることになるのだろうと思っていました。父が時々してくれる航海の話、新しいお国の話には惹きつけられないでもありませんでした。が、あそこに行けば、父と一緒にいることが出来ないのだと思うと、セエラの胸は痛むのでした。
「パパさんは、あそこへ一緒に行って下さらないの?」そう尋ねたのは五歳(いつつ)の時でした。
「一緒に学校へいらっしゃらない? 私、お父さんのおさらいしてあげてよ。」
「でもセエラや、別れているのはそんなに永いことじゃァないのだよ。それにお前は、小さいお嬢さんたくさんいる素敵なお家(うち)へ行くのだよ。そして、みんなと遊ぶのだよ。お父さんたくさん御本を送って上げる、お前はどしどし大きくなって、一年も経つかたたないうちにすっかり大人になって、利口になって帰ってくる。そうして、お父さんの世話をしてくれる――。」
 その時のことを考えると、セエラはうれしくなりました。父のために家の中を片付けたり、父と一緒に馬に乗ったり、父が宴会を催す時には食卓上座(しょうざ)に坐ったり、父の話相手になったり、父に本を読んであげたり、――そんなことを覚えるためだったら、よろこんで英国へ行こう、とセエラは思いました。セエラは学校でお友達たくさん出来ることなどは、うれしいとも思いませんでしたが、御本をたくさん送ってもらえるのは、うれしいに違いありませんでした。セエラは本が何より好きでした。本さえあれば寂しいとも思いませんでした。それにセエラは、美しい物語自分で作って、自分で語り聞かせるのが好きでした。時には、それを父に話して聞かせることもありました。父もセエラ同様、その物語を喜んで聞きました。
「ねえ、お父様。」セエラは馬車の中でそっといい出しました。


次のページ

バーネット フランシス・ホジソン・エリザ (バーネット フランシス・ホジソン・エリザ) 以外のオススメ作品

小公女 (しょうこうじょ) のリンク元

「小公女-バーネット フランシス・ホジソン・エリザ」の関連ページ


関連ページ
Web Services by Yahoo! JAPAN