晩翠放談「自序」 関連リンク

土井 晩翠 のオススメ作品

作家別索引

作品別索引

晩翠放談「自序」 - 土井 晩翠 ( どい ばんすい )

  • 古書≪森鴎外集≫7 青年、舞姫他 【 森鴎外】河出書房 貴重 初版
  • 「森鴎外私論」吉野俊彦 森鴎外評論-批評-書籍・10冊 N21681
  • 岩波文庫1675昭和41年/阿部一族他二編森鴎外 岩波書店
  • 600円~ 岩波文庫【青年】森鴎外 (プチソフト1)
  • ◆◇森鴎外著「舞姫・山椒大夫  他四篇」(旺文社文庫)◇◆
  • ◆◇ 森鴎外著「青年」(新潮文庫) ◇◆  名著! 
  • ◆◇森鴎外著「舞姫・うたかたの記  他三篇」(岩波文庫)◇◆
  • ◆新品DVD★『NHK 名作の風景 8』森鴎外 正岡子規 夏目漱石1円
  • 森鴎外 高瀬舟・高瀬舟縁起・寒山捨得・寒山捨得縁起 CD 未開封
  • 森鴎外 舞姫 雁 井上靖 訳編 明治の古典8 初版
「晩翠放談」自序 「宮城野の本荒の小萩露を重み風を待つごと君をこそ待て」(古今集戀の部よみ人知らず)此昔の名所本荒の郷が今日仙臺市本荒町のある處其二十番地が私の本邸であつたが、若干の貸家と共に二十年(一九四五)七月十日の爆撃で灰燼となつた。今は一友人厚意に因り其所有の借舍、青葉山に對し廣瀬川に臨む花壇川前町に鷦鷯一枝の安を得つゝある。其陋居に一月二十八日河北新報社村上辰雄君が來訪、「晩翠放談」を刊行しようとの厚意であつた。次いで二月日立春の日村上辰雄君と宮崎二郎君と筆記者建宮君とが來訪し、老來健忘のみならず資料は悉く燒亡して甚だ覺束ない私の幼少年時代の思ひ出を記録した。第二の放談會は河北新報社菅野千代夫君の招待で清水小路の茶寮五橋亭に於て十二日一力次郎君、鈴木紀一郎君、小池堅治君、高畠直定君、村上辰雄君、白石辰男君、宮崎二郎君、櫻井平喜君と共に催された。第三回は郷土史三原良吉君、天江富彌君、宮崎君が來訪して花壇の借舍で開かれた。
 以上三回の放談を纏め更に附録として若干の隨筆を加へたものが本書である。
 あらゆる子らを皆先だて、戰災に因り、社會政策により、殆んど一切の有形物を失ひ、頽齡陋質殘喘を續け乍ら、祖國の復興を祈つてやまぬ私はつい先頃菩提所大林寺に擅徒惣代として一知人の弔辭を讀み、その中に「一切は天命である、君が七十八歳の私に先だつも天命である、今明日にも私は君の後を逐ふかも知れぬ、或はいや/\乍ち長壽を全うするかも知れぬ。どちらでも宜し、臨終の時は遺族友人と知人とに永々ありがたうの感謝を捧げて瞑目する考で居る……」と述べたが是が私の目下の心境である。

 昭和二十三年(一九四八)四月土井晩翠


此の序を書いた一月後妻八枝が急性肺炎により一週間就床の後五月十日に死亡した。私は今七十歳の老妹と十六歳の孫と女中との淋しい四人ぐらしである。




底本:「晩翠放談」河北新報社
   1948(昭和23)年8月5日発
入力:門田裕志
校正小林繁
2006年9月19日作成
青空文庫作成ファイル
このファイルは、インターネット図書館青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力校正制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。


土井 晩翠 (どい ばんすい) 以外のオススメ作品

晩翠放談「自序」 (ばんすいぼうだんじじょ」) のリンク元

「晩翠放談「自序」-土井 晩翠」の関連ページ


関連ページ
Web Services by Yahoo! JAPAN