机の前の裸は語る 関連リンク

尾形 亀之助 のオススメ作品

作家別索引

作品別索引

机の前の裸は語る - 尾形 亀之助 ( おがた かめのすけ )

  • 古書≪森鴎外集≫7 青年、舞姫他 【 森鴎外】河出書房 貴重 初版
  • 「森鴎外私論」吉野俊彦 森鴎外評論-批評-書籍・10冊 N21681
  • 岩波文庫1675昭和41年/阿部一族他二編森鴎外 岩波書店
  • 600円~ 岩波文庫【青年】森鴎外 (プチソフト1)
  • ◆◇森鴎外著「舞姫・山椒大夫  他四篇」(旺文社文庫)◇◆
  • ◆◇ 森鴎外著「青年」(新潮文庫) ◇◆  名著! 
  • ◆◇森鴎外著「舞姫・うたかたの記  他三篇」(岩波文庫)◇◆
  • ◆新品DVD★『NHK 名作の風景 8』森鴎外 正岡子規 夏目漱石1円
  • 森鴎外 高瀬舟・高瀬舟縁起・寒山捨得・寒山捨得縁起 CD 未開封
  • 森鴎外 舞姫 雁 井上靖 訳編 明治の古典8 初版
 私はこの九月末か十月初め頃までの間に、かびのついたするめのやうな昨年と今年との作品十数篇からなる表題未定の一本を四五十印刷して、これを最後の集として年来親しくしてもらつた友人へ贈呈する。大正十三年に「色ガラスの街」――昭和四年に「雨になる朝」――そして、この表題未定の一本最後とすることには何の意味もない。もうこれでたくさんだといふことゝ、自分の将来にもさうしたことをする義務もなければ何もないといふことをはつきり考へたにすぎない。

×

 本を読むといふことは、勉強だとか趣味だとかいふすべてをふくんで、料理されたものを食ふといふことよりもはるかに馬鹿げてゐる。――といふことに私は少しばかり気がついた。
 例をあげれば、五十銭出して本を買ふといふことは、多くの場合銭を出したばかりでなく、その上その内容を読まされるといふことになる。だが、かうした取引九分九厘――大部分の読者にはその全部の場合行者又はその筆者の方から銭を出して、さあこれを上げるから読んで呉れとなるべきではなからうか。それなのに、うかつにも銭を出したり読まされたりしてゐることは全く馬鹿げてゐる。それよりも五十銭で何か食ふ方が利口だ――と。殊に「勉強」のためとあつてはなほのことさうした場合が多さうではないか、と。
 又、本そのものの内容に至つては、それを読んでゐる間の煙草コーヒー代は勿論一日又は二日の生活費を出してまだ足らぬといふしろものの如何に多きや云云――といふ次第ではないでせうか。こんなこと言つてわるいんですけれども――。

×

 贈呈されたもののお礼季節の見舞ひのお礼はいつも筆ぶしよう。例へば月末に金を取りにくるから新聞を取るのをやめやうと思つてゐるといふやうなわけ、米屋酒屋へも亦同じ。おゆるし下さい。
(一九三〇、八月十日)
(詩神第六巻十号 昭和5年10月発行)



底本:「尾形亀之助詩集現代詩文庫思潮社
   1975(昭和50)年6月10日初版第1刷
   1980(昭和55)年10月1日第3刷
初出:「詩神 第六巻十号
   1930(昭和5)年10月
入力高柳典子
校正鈴木厚司
2006年9月12日作成
青空文庫作成ファイル
このファイルは、インターネット図書館青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力校正制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。


尾形 亀之助 (おがた かめのすけ) 以外のオススメ作品

机の前の裸は語る (つくえのまえのはだかはかたる) のリンク元

「机の前の裸は語る-尾形 亀之助」の関連ページ


関連ページ
Web Services by Yahoo! JAPAN