横須賀小景 関連リンク

芥川 竜之介 のオススメ作品

作家別索引

作品別索引

横須賀小景 - 芥川 竜之介 ( あくたがわ りゅうのすけ )

  • 【横須賀市】横須賀中央駅徒歩6分
  • SMAP(スマップ)木村拓哉 写真集 横須賀功光/撮影
  • □ 木村拓哉 写真集 サイン付き ■ 撮影/横須賀功光 
  • ■初版■SMAP・木村拓哉写真集「木村拓哉」■撮影:横須賀功光■
  • 写真集 木村拓也 写真:横須賀功光 H8年初版 JTB
  • 初版!木村拓哉 写真集 写真 横須賀功光
  • 横浜銀蝿★ベスト★横須賀Baby ぶっちぎりROCK'N ROLL ツッパリ
  • ★即決落札★横須賀昌美「Yoshimi」1988年(初版発行)
  • ☆横須賀昌美 MODERN LOVE
  • KATO 10-196 113系1500番台 (横須賀線色) 3両増結セット
芥川龍之介        カフエ  僕は或カフエの隅に半熟の卵を食べてゐた。するとぼんやりした人が一人、僕のテエブルに腰をおろした。僕は驚いてその人をながめた。その人は妙にどろりとした、薄い海苔(なまのり)の洋服を着てゐた。

       虹

 僕はいつも煤(すす)の降る工廠(こうしやう)の裏を歩いてゐた。どんより曇つた工廠の空には虹が一すぢ消えかかつてゐた。僕は踵(かかと)を擡(もた)げるやうにし、ちよつとその虹へ鼻をやつて見た。すると――かすかに石油の匂がした。

       五分間写真

 僕は或晩春午後、或若い海軍中尉と五分間写真を映しに行つた。写真はすぐに出来上つた。しかし印画に映つたのは大きい※といふ羅馬(ロオマ)数字だつた。

       小さい泥

 僕は或十二三のお嬢さんの後ろを歩いて行つた。お嬢さん空色のフロツクの下に裸の脚を露(あらは)してゐた。その又脚には小さい泥がたつた一つかすかに乾いてゐた。
 僕はこのお嬢さんの脚の上の泥を眺めて行つた。すると泥はいつの間にかアメリカ大陸に変つてゐた。山脈や湖や鉄道も一々はつきり盛り上つてゐた。
 僕はおやと思つてお嬢さんを探した。が、お嬢さんは見えなかつた。僕の前には横須賀軍港がひろがり、唯一面に三角の波が立つたり倒れたりしてゐるだけだつた。
――旧稿より――



底本:「芥川龍之介全集 第十三巻」岩波書店
   1996(平成8)年11月8日発
入力:もりみつじゅんじ
校正:林 幸雄
2002年1月26日公開
2004年3月17日修正
青空文庫作成ファイル
このファイルは、インターネット図書館青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力校正制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。


芥川 竜之介 (あくたがわ りゅうのすけ) 以外のオススメ作品

横須賀小景 (よこすかしょうけい) のリンク元

「横須賀小景-芥川 竜之介」の関連ページ


関連ページ
Web Services by Yahoo! JAPAN